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背骨が曲がってる

背骨が曲がっていると言われた…

背骨が曲がっていると言われた…背骨が正面から見て横にカーブしている状態を脊柱変形と言います。
通常であれば、正面から見た背骨はまっすぐ一直線で、横から見るとS字のカーブをしています。しかし、さまざまな原因によって歪むことがあります。
前後に弯曲した状態を前弯症や後弯症と呼びます。
また、背骨が横にカーブしている状態は、側弯症と呼ばれ、一般的にカーブが10度を超えると異常が疑われ、20度を超えると装具治療が必要です。
多くの場合、思春期の女性に発症し、成長に伴って背骨が曲がっていきますが、初期段階では痛みがないため気づきにくいです。
大人になってから肩の高さの違いなどを認め、初めて気づくこともあります。
進行すると、痛みや心理的負担、ストレス、神経障害、呼吸器症状を引き起こすことがあります。
軽度の場合はコルセットなどの装具での矯正を行いますが、強度の場合は手術が検討されます。

このような側弯症のお悩みはございませんか?

  • 肩の高さの左右差がある
  • 肩甲骨の高さやでっぱりの左右差がある
  • 片方の背中や腰の出っ張りがある
  • ウエストラインの左右非対称性
  • 変形のある背中や腰の痛みやこりがある
  • 姿勢を保つことが困難である
  • 手足のしびれや動かしづらさがある
  • 息切れがある

子供では痛みは少ないですが、大人では年齢や症状の重さに比例して痛みが増します。
以上のような症状が見られる場合は、当院までご相談ください。

子どもの脊柱側弯症の種類

機能性側弯

何らかの原因で一時的に生じた側弯で、原因を取り除けば戻ることが多いです。
腰椎椎間板ヘルニアの痛みによって生じることもあります。

構築性側弯

脊柱がねじれを伴って側弯し、骨の変形により簡単にはまっすぐに戻らない状態です。
側弯症全体の約8割を占め、小児期に多く見られます。
特別な原因がないものから、生まれつき脊柱が曲がっているもの、神経や筋肉の病気が原因で発症するものなどがあります。
原因不明の構築性側弯症は特発性側弯症と呼ばれます。

乳児期:0~3歳以下

自然と治る場合も多く、男児に多く見られます。

学童期:4~9歳以下

進行する場合が多いです。

思春期:10歳以上

圧倒的に女子に多く見られます。
特に成長が著しい時期に側弯の進行も強くみられ、男児なら声変り、女児なら初潮を迎え身長の伸びが止まると側弯の進行もおさまる傾向にあります。

中高年、高齢者で発症する「腰椎変性側弯症」

中高年、高齢者で発症する「腰椎変性側弯症」幼少期には側弯症ではなかったにもかかわらず、中高年になって急速に背骨が曲がるタイプで、主に腰の骨が曲がります。
症状としては、背骨の変形や腰痛が見られます。
脊柱管狭窄症やすべりを伴うこともあり、この場合には、下肢痛やしびれ、運動麻痺などの神経症状が出現することもあります。

背骨が曲がる原因

側弯症の中で、原因が特定できない「特発性側弯症」が最も多く見られます。
家族内で発症することがあり、遺伝的要因の関与が考えられています。
そのほか、脊椎の骨の発育に影響を与える先天性異常、筋ジストロフィーや脳性麻痺などの特定の神経筋疾患、乳児期に胸壁の手術を受けたことなどの影響が考えられます。
なお特発性側弯症の発症に関する危険因子には、以下のようなものがあります。

側弯症のリスク因子

  • 思春期
  • 女児(側弯が悪化し、治療を要とするリスクが高い)
  • 遺伝(家族歴がないこともある)

背骨が曲がっている時の検査

背骨が曲がっている時の検査脊柱側弯症を疑う場合、レントゲン検査を実施します。

側弯症のセルフチェック

正確な診断にはレントゲン検査が必須ですが、ご自宅でも簡単に側弯症をチェックする方法があります。

立位検査

後ろ向きにまっすぐ立ち、気をつけの姿勢で下記を確認します。

  • 左右の肩の高さに差がないか。
  • 左右の肩甲骨の高さと突出の程度に差がないか。
  • ウエストライン(腰の脇線)が左右非対称ではないか。

前屈検査

肩の力を抜いて両方の手のひらを合わせ、両腕を自然に垂らして膝を伸ばしたままゆっくりとおじぎをします。
腰や肋骨に左右のいずれかに盛り上がりがないかや左右の高さに差がないかを確認します。

背骨の曲がりの治し方

治療は、弯曲の重症度で異なります。
ごく軽度の弯曲を持つ子供であれば、通常治療は必要ありません。
ただし、成長とともに弯曲が悪化していないか、定期的にチェックが必要です。
弯曲が中等度または重度の場合は、装具や手術を検討することがあります。
その際、子どもの成熟度や弯曲の程度、性別などを考慮します。
子どもが十分に成熟し、骨の成長が止まっている場合には、これ以上弯曲が進行するリスクは低いと考えられます。
また、骨がまだ成長している子どもには、装具が最も効果的であり、骨の成熟度はレントゲンで確認できます。
弯曲が大きい場合には、時間とともに悪化する可能性が高く、女児は男児よりも進行のリスクが高いため注意が必要です。

装具

骨がまだ成長段階で、中程度の側弯症である場合には、装具の使用が検討されます。
装具の装着によって側弯症が治ることはありませんが、通常は弯曲の悪化を防げます。
プラスチック製のものが最も一般的で、腕の下と胸郭、腰の周りにフィットするように作られているため、服の上からはほとんど見えません。
1日に13~16時間装着し、1日に装着する時間が長いほど装具の効果が高くなります。
また、装具を装着していても、多くの活動は問題なく行えます。
必要時には、装具を外してスポーツなどへの参加も可能です。
装具の着用は、身長の変化が止まれば終了します。

手術

通常、重度の側弯症は、時間とともに進行するため、弯曲を矯正し、悪化を防ぐために手術を検討することもあります。
一般的には脊椎固定術が行われ、椎骨と椎骨の間に骨や骨片に似た物質を挟み込み、脊椎の2つ以上の椎骨をつなぎ合わせて固定します。
低年齢で側弯症が急速に進行している場合には、拡張可能なロッドを背骨に沿って1〜2本取り付けることで、成長に合わせて長さを調節できるようにします。
手術の合併症には、出血や感染症、神経損傷などがあります。

側弯症の放置は心臓や呼吸機能低下のリスク

成長が終了すると変形も止まるのが一般的ですが、大きく曲がっている場合は、成長が止まっても変形が進むことがあります。
放置していると、外見からも歪みがわかるようになり、背骨の湾曲による内臓の圧迫や心臓や呼吸器、消化器の機能低下を引き起こすことがあるため、早めに受診してください。